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家庭経済の耳より情報

2021年08月25日

住宅ローンに関する新制度

 身近な借金、住宅ローンは今、どのような状況になっているのか、コロナで状況が変化しています。
新型コロナウイルスの影響で、住宅ローン等の返済に悩む人が増えています。なにより金融機関に相談することが大事です。

まず失業や、営んでいる店の廃業等で収入の回復が容易に見込めない人に対しての制度を紹介します。

1、「コロナ版ローン減免制度」(「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則)が2020年12月1日から開始されています。
(1)対象者:新型コロナウィルスの影響での失業や、収入・売上が減少したことなどによって、債務の返済が困難になった個人・個人事業主。
(2)対象債務:令和2年2月1日以前に負担していた債務に加え、令和2年10月30日までに新型コロナ対応のために負担した債務。
  債務には、事業性ローン、住宅ローン、その他のローンが幅広く含まれる。
(3)以下のようなメリットを受けながら、対象債務の減免が受けられる。
  ア)特別定額給付金などの差押禁止財産に加え、財産の一部を手元に残せる。
  イ)信用情報登録機関に登録されないので、その後の借入の可能性を残せる。
  ウ)弁護士、不動産鑑定士など専門家の支援が無償で受けられる。
(4)ローンの減免の手続き
  簡易裁判所の特定調停手続きを利用する。この手続きを進めるために、各地の弁護士会に登録されている弁護士などの登録支援専門家が、必要な書類の作成や債権者との協議等の手続きを無償で支援する。この制度を利用するには、最も借入残高が多い債権者から制度利用の同意(着手同意)を得た上で、弁護士会に手続支援を依頼する。

2、特定調停について
 上記の説明の中に特定調停手続きが必要なため、特別調停を一般的に説明します。
 債務返済が困難な債務者の申立により、裁判所がその債務者と債権者との話し合いを仲裁し返済条件の軽減等の合意が成立するよう働きかけ、債務者が生活を立て直せるよう支援する制度です。

 主なメリット
 ・申請受理と同時に取り立てが止まり、費用が安い(1件あたり数千円)。
 ・豊富な法律知識が無くても調停委員が間を取り持ってくれる。
 ・原則は全ての債権者が対象だが、自己申告制なので申立てする債権者を選択できる。
 
 主なデメリット
 ・原則、支払い原資(収入)がある人に限る。
 ・時間や労力がかかる。
 ・あくまでも調停(話し合い)なので、債権者側が条件に応じない場合もある。
 ・調停が成立すると裁判所作成による和解調書が作成され,約定が不履行になった場合債権者は強制執行の権利を有することになる。

 コロナ版ローン減免制度を利用できる可能性のある方は、ぜひ金融機関にご相談ください。
 救済策は複数あるので、自分に適した制度を選択し、家計の危機を回避してください。


代表的なお問合せ先、相談先を下記に案内します。
・金融庁相談窓口(受付時間平日10時~17時)
   新型コロナウィルスに関する相談ダイヤル 
   0120-156811(フリーダイヤル)
   ※IP電話は03-5251-6813
・日本弁護士会 電話(ひまわりお悩み110番) 
   0570-783-110

氏家 勉  2021年08月25日