相続を考える

家庭経済の耳より情報

2013年09月30日

NISAと連年贈与(れんねんぞうよ)

 先日、「孫のNISA口座に毎年100万円を贈与すると連年贈与になりますか?」とのご相談を頂きました。この機会に、お孫さんに投資の勉強をして欲しいとのことでしたが、連年贈与をご心配されていました。

「連年贈与」について多くの方が誤解をされています。
今回のケースでも、「総額1000万円を贈与する。ただし、NISA用に毎年100万円ずつ分割で支払う」との契約書があれば、贈与は1000万円であったとして贈与税が課税されます。このようなケース以外であれば、毎年同額でも、同日でも、関係ありません。

それよりも、「贈与になっているか」に注意する必要があります。
贈与について民法では「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と規定されています。
贈与は口約束でも有効ですが、第三者(例えば税務署)に贈与があったことを示すためには次の点に気を付けてもらいたいと思います。
① 贈与のつど、贈与契約書を作成する。(それぞれが直筆で署名押印する)
② 通帳から通帳へ振込み、証拠を残す。
③ もらった側が自由に利用できるようにする。(通帳や印鑑の管理はもらった側が行う)

 特に相続税対策として生前贈与を行う場合には、「贈与」が成り立っているかどうかに気を付けて頂ければと思います。

税理士・CFP  原 由香 2013年09月30日