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家庭経済の耳より情報

2012年03月20日

国際分散投資のすすめ ~いま、日本の国債は安全か?~

 2011年12月末時点における日本の国債及び借入金総額は958兆6385億円で、2012年3月末には973兆円に達するものと予想されています。
現在日本の対GDP債務比率は230%で、デフォルト(債務不履行)が取り沙汰されているギリシャの165%を遥かに凌ぐ状態にあります。

 日本の国債はこれまで安全と言われてきましたが、本当に安全なのでしょうか?
現在日本国債が安全とされる理由とそれぞれが抱える不安要素について、4つの事項を挙げて考察します。

① 経常収支が黒字である。
2011年、所得収支(14兆円)の黒字に支えられ、経常収支は黒字となっていますが、31年振りに貿易収支が赤字(1兆6000億円)となりました。これは、成長国(ものづくり)から成熟国(投資)へと「国家のスタイル」が変化する過程で、そのかじ取りが求められており、操舵によっては座礁する危険性が生じます。

② 日本の国債は、国内消化が非常に高い。
長きにわたり外国人の保有比率は5%前後と低く、国内で国債が順調に消化できていましたが、徐々にその比率が上昇傾向にあります。その主な要因として、国内主要銀行における国債依存率が3~4割と高く、買い支える余力がなくなってきている事が挙げられます。また、長期金利が1%上昇すると、大手銀行で3.3兆円、地方銀行で2.7兆円の損失を招く危険性をはらんでいることも起因となっています。(金利上昇=価格下落)

③ 対外純債権国である。
現在日本は世界最大の債権国(270兆円)となっています。しかし、その1/3は米国債で、自由に売買することが困難な状態なのです。

④ 増税の“伸び代(余地)”が残っている。
主要先進国の消費税(イギリス17.5%,ドイツ19%,フランス19.6%)と比較し、増税の余地は残されていますが、増税による景気への影響が懸念され、更なる財務状態の悪化に結びつく危険性があります。

 日本国債もPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの5ヶ国)同様、格付け機関が評価を下げるなどをきっかけにマーケットの標的となり、一気に下落し金利が上昇しかねない危険性は拭い切れません。

 金利の急上昇は、我々の生活に様々な形となって直撃します。“日本円のみ”の保有資産の場合、円の暴落を伴い、物価急上昇(ハイパーインフレ)の洪水にそのまま飲み込まれてしまう事が懸念されます。最悪の事態に備えておくためには、「通貨の分散保有」をこの円高の時代に考えておくことをおすすめします。

滝田 知一  2012年03月20日