資産を運用する

家庭経済の耳より情報

2023年04月25日

これから資産運用を始めようとお考えの方へ 「ライフプランに合わせた資産形成税額優遇 制度の活用」

 資産運用を始めようとお考えになるきっかけは、「就職したから・結婚をしたのを機に・子供が生まれたから・定年退職したのを機に…」など様々だと思います。
「(低金利の)預貯金だけの運用では将来が不安」だとか「どのように資産形成すれば良いかわからない」と考えられている方も多いことと思います。
来年 2024年から日本でも本格的な資産形成に関する税額優遇制度が完備されます。
簡単に2つの資産形成制度について説明します。
ご自身の年齢や資産状況・ライフスタイル(生活様式 やライフプラン(人生設計)によって制度の活用方法は違うと思いますので、自身に即した資産運用の ご参考にしてください。

①  iDeCo(個人型確定拠出年金)
対象者:
1.国民年金第1号被保険者(自営業者の方)
2.国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)
3.国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)等)
4.国民年金任意加入被保険者
様々な方が参加可能です。

特徴:
1.拠出した掛け金は 全額所得控除
2.運用益 配当益・分配益・売買益 は 非課税
3.一時金として受給 する場合は 退職所得控除
4.年金として受給 する場合は 公的年金等控除


 すべてがとても大きな特典となっています。しかし、iDeCo の最大の特徴は、「60歳になるまで運用資金が引き出せない 」 と云う事です。つまり iDeCo による運用は、人生100年時代、就労終了後30年以上長生きするための 「老後資金の確保」 が目的となります。
「リタイアメント世代には心強い資産形成制度ですが、現役世代には結婚・子育て・住宅の購入などに必要な時に使えない不安が残ります。
現役世代の用途に合わせた資産形成制度が来年1月1日 から始まる新 NISA です。

② 新 NISA(少額投資非課税制度)
対象者:
18歳以上の日本国民
特徴:
1.運用の対象となる期間は無期限で一生涯、当制度を活用することが出来ます。
2.最大で 1,800万円の非課税限度額が設定され、生涯利用が可能です。
3.結婚・子育て・住宅購入等まとまった資金確保が途中で必要になったときには、非課税で(何度でも)引き出すことが可能です。
4.途中売却した場合、売却分の取得価額分を再利用できます。( 1,800万円の枠内)
5.1年間で投資出来る金額が定められており、 1,800万円を一度に投資する事は出来ません。年間上限投資枠は、「成長投資枠」として年間 240万円、「つみたて投資枠」として年間 120万円 合計 360万円です。


生涯限度額 1,800 万円は、最短 5年間で枠を埋めることは可能です。
しかし、若い世代の方々は 2022年平均年収 20代で 342万円、 30代で 435万円です 。
(ゆとり資金や 節約などをして)月にいくら資産の運用に回せるのか考える事が必要となります。 ちなみに 1,800 万円を投資するには)月3万円の投資で 50年間、月5万円で 30年間掛かります。 何も生涯枠いっぱいにすることが目標ではありません。
ご自身のライフプランに合わせてご自身の未来のために運用していくことが何よりも重要です。

滝田 知一 2023年04月25日