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家庭経済の耳より情報

2026年06月25日

被扶養者の認定における年間収入の取扱いの変更について

所謂「130万円の壁」対策として、令和8年4月1日より健康保険の被扶養者(国民年金の第3号被保険者)として認定されるための年間収入の取扱いの整理が行われ、令和8年4月1日から適用されることになりました。

1 判定基準の変更内容等
① 年間収入とは
・過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点及び認定日以降の1年間の収入見込額をいう(税法上の取扱いとは異なるので注意が必要)。

② これまでの取扱い
・課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認して、所定外賃金の見込を含めた今後1年間の収入見込により年間の収入要件に当てはまっているがどうかを判断
・労働契約の内容では被扶養者認定の収入基準を満たしているが、残業代によって基準を満たさない場合は、過去3カ月分の給与明細等と人手不足による労働時間の延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明書が必要

③ 令和8年4月1日以降の取扱い
被扶養者の収入が給与収入のみで、労働契約内容に基づく年間収入が基準額未満である場合は、原則として、被扶養者として認定

⑴ 判定に必要な書類
・労働基準法第15条に基づき交付される「労働条件通知書」等と「給与収入のみである」旨の申立書等

⑵ 残業代の取扱い
・令和8年4月1日からは、所定外賃金は原則含まれないことが明確化
・労働条件通知書等に明確な規定がなく、予め金額を見込むことが難しい時間外労働に対する賃金については、年間収入の見込額から除外
(所定外労働時間の見込時間数が記載されていても、断定的でなければ労働契約内容による年間収入に含める必要はない。)

⑶ 臨時収入の取扱い
・認定段階では見込んでいなかった想定外の臨時収入(具体的には勤務先から支給される賞与や一時金)があり、結果として年収が130万円以上になった場合でも、その収入が社会通念上妥当である範囲にとどまる場合には、これを理由として、被扶養者の認定を取り消す必要はないとされている。
⑷ その他注意事項等
・給与収入以外の収入(事業収入等)がある場合の認定方法の変更はない。

・時給の変動や所定労働時間の変更など、労働契約の内容が変わった場合は、その内容で基準に当てはまるか確認する必要があることから、被扶養者がいる被保険者は、被扶養者の労働契約の内容が変更された場合は速やかに事業所に報告することが必要

・時間外労働が扶養認定時点で経常的に発生している場合については、「労働契約に明確な規定がなく労働契約の段階では見込み難いものであれば、年間収入の見込額には含めず、今回の取扱いで判定する」とされている。

・臨時収入により実際の年間収入が社会通念上妥当である範囲を超えて130万円を大きく上回っており、労働契約内容の賃金を不当に低く記載していたことが判明した場合には、被扶養者に該当しないものとして取り扱って差し支えないとされている。

・保険者(協会けんぽ・年金機構)は、臨時収入が一時的な収入変動かどうかの確認のために、勤務先が発行する収入証明書や課税証明書等の提出を求めても差し支えないとされているので、保険者から被扶養者認定に疑義が示された場合、被保険者を雇用する企業は、被保険者をとおして被扶養者や被扶養者を雇用する企業に個別具体的な状況を確認して、その内容に応じて年金機構や協会けんぽが取扱いを判断することになる。

・古い労働条件通知書をもとに被扶養者認定を行い、労働契約内容の賃金を不当に低く記載していたものとして被扶養者認定が取消されると、遡及して国民年金や国民健康保険に加入しなければならなくなるので、被保険者は、必ず、被扶養者の最新の労働条件通知書を事業所に提出して確認してもらうこと

・事業所には、労働条件通知書の発行日が1年以上前のものである場合は、被扶養者の課税証明書や給与明細書等の収入の実態を確認できる資料を提出させて、労働契約の内容と相違してないか確認することが求められているので注意


2 年間収入の取扱いの変更の影響
・一時的な収入の変動により年間の収入が認定基準額を超えてしまった場合は、事業主証明を提出してもらう必要があったが、今回の変更で事業主証明の提出が不要になる。

中原 潔 2026年06月25日